労災で会社を休むことになった場合の休業補償給付について弁護士が解説

労働災害・通勤災害で怪我をした場合、重い怪我だと仕事を休まなければならない場合もあります。
このような場合に備えて、労災保険では休業補償給付というものがあるのですが、これはどのような内容でしょうか。
また、休業補償給付以上の金銭を請求できる場合があるのをご存知でしょうか。
本記事では、労災で仕事を休むことになった場合の休業補償給付についてお伝えします。

休業補償給付とは

牛業補償給付とはどのようなものか確認をしましょう。

休業補償給付とは

休業補償給付とは、労災保険給付のひとつで、業務上の事由または通勤によって怪我や病気となり、労働することができずに賃金を受け取っていない場合に支給される金銭のことをいいます。
なお、通勤災害の場合には休業給付という名称になりますが、内容は変わりません。
労働災害・通勤災害に起因する病気や怪我で仕事ができなくなった場合になくなる収入を補償するのが休業補償給付です。

休業補償給付を受けるための要件

休業補償給付を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。
● 業務災害・通勤災害により療養していること
● 労働することができない日が4日以上続いていること
● 賃金を受けていないこと
以上の要件を満たすことが必要です。

業務災害・通勤災害により療養していること
業務災害・通勤災害により療養していることが要件の一つです。
業務災害・通勤災害にあたるかについては
「労働災害について(URL:https://www.koberise-rousai.com/page-137/)」
で詳しく解説しておりますので、こちらをご参照ください。
労働することができない日が4日以上続いてること
労働することができない日が4日以上続いていること、が要件の一つです。
労働することができないかどうかは、医師等が療養のため労働することができなかったと認められる期間を、労災の申請書に記載します。
労災保険については、働くことができなくなった日から3日間の待機があるので、4日以上続けていることが必要となります。
賃金を受けていないこと
賃金を受けていないことが要件の一つです。
労災保険は、休業期間中の収入の補填です。
そのため、休業していても賃金を受けている場合には、休業補償給付を受けることはできません。
一部賃金を受けている場合でも、給付基礎日額の60%に満たない場合には差額を受け取ることが可能です。

休業補償給付の給付内容

休業補償給付の給付内容は次の通りです。
● 休養4日目から
● 休業補償給付(休業給付)として給付基礎日額の60%
● 特別支給金として給付基礎日額の20%
給付基礎日額は、労働災害が発生した日の直前3ヶ月分の賃金をもとに計算します。
賃金には、ボーナスのような臨時に支払われる賃金を含みません。

休業補償給付以外にも受け取ることができるもの

休業補償給付以外にも受け取ることができるものも知っておきましょう。

他の労災給付

労災に被災した場合の他の労災給付として次のようなものを受けることができる場合があります。

療養補償給付
労働者が労働災害によって怪我や病気をしたときに、病院で治療を受ける費用を負担するのが療養補償給付です。
休業が必要な怪我や病気をした場合には診療を受けることになるので、療養補償給付を受けることができます。
傷病補償年金
業務災害・通勤災害による怪我や病気によって、療養を始めてから1年6ヶ月を経過しても治らず、後遺障害の等級(1級~3級)に該当するときに支払われるのが傷病補償年金です。
怪我や病気が後遺障害等級の1級~3級に該当する場合には、傷病補償年金を受けることができます。
1~3級に該当しなくても、休業の必要性が継続している場合は引き続き休業補償を受給できます。
障害補償給付
病気や怪我によって障害が残ったときに、後遺障害等級に応じて年金または一時金の支給を受けられるのが障害補償給付です。
労働基準監督署によって後遺障害が認定された場合には、その等級に応じて障害補償給付を受けることができます。
遺族補償給付
労働災害によって労働者が亡くなったときに、遺族に給付されるのが遺族補償給付です。
労働者が亡くなった場合には、遺族が遺族補償年金または遺族補償一時金を受けることができます。
介護補償給付
傷病補償年金、または、障害補償年金を受給しており、現に介護を受けている場合には、介護補償給付が支給されます。

労働基準法の療養補償・休業補償

労働基準法75条は労働者が業務上怪我や病気になった場合の療養補償を、76条は休業補償を行わなければならないとしています。
労災保険給付がされている場合にはこの補償は必要ありませんが、労働基準法上の休業補償は休業補償給付のように3日間の待機がないため、この3日間の分については会社から補償を受けることができます。

会社に対して損害賠償を請求できる場合がある

会社に対して損害賠償を請求できる場合があります。

会社は労働者に対して安全配慮義務を負っている
会社は、従業員に対して生命・身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする義務を負わせています。
この義務のことを安全配慮義務と呼んでいます。
安全配慮義務に違反すると損害賠償をする必要がある
会社が安全配慮義務に違反したために労働者が怪我や病気になってしまった場合、会社は労働者に対して損害賠償をする必要があります。
労災保険では損害を十分にカバーできませんので、労災保険でカバーできない慰謝料など会社に請求することが可能です。
もし会社に安全配慮義務違反が認められる場合には、会社に対して多額の賠償金を請求ができる場合があります。
たとえ労働者側に不注意があったような場合でも、安全配慮義務が認められることがあるので、労働災害に被災した場合には必ず弁護士に相談することをお勧めします。

まとめ

本記事では、労災で仕事を休むことになった場合の休業補償給付を中心にお伝えしました。
労災で仕事を休むことになった場合に受けられるのが休業補償給付で、給付基礎日額の80%を受けることができます。
もし会社に安全配慮義務違反がある場合には、会社に対して損害賠償請求をすることができますので、労災に被災した場合にどのような請求ができるかを検討するためにも、弁護士に相談することをお勧めします。

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