顔面の線条痕と「咀嚼に相当時間を要するもの」で12級相当が認定、併合8級が認定された事例

(事故と障害の内容)

ご依頼者様は、トラック運送業の会社で働いていました。
ご依頼者様が搬入先でトラックの誘導を行っていましたが、運転手が運転を誤って、搬入先の柱とトラックとの間にご依頼者様が挟まれて、左下顎骨骨折等の負傷をしました。

(ご依頼の経緯)

当初、ご依頼者様は労災の適用を受けて労災から後遺障害併合8級の認定を受けていました。
そして、会社に対し、損害賠償請求ができないかというご相談がありました。

(受任後の活動)

最初の方針として、自賠責保険会社に対して被害者請求をすることにしました。当初、ご依頼者様が会社に請求するか否かを少しためらわれていたので、そうであればまず、会社に迷惑をかけずに回収できる自賠責保険会社に請求することにしたのです。
そして、自賠責保険会社に被害者請求をして後遺障害併合8級が認定されました。
その後、ご依頼者様が意を決し、会社に対して損害賠償を請求しました(会社のトラックには保険がついていました)。もっとも、保険会社は外貌醜状については逸失利益を認めなかったので、話し合いでは解決ができず、訴訟になりました。
本件では、「外貌に相当程度の醜状痕を残すもの」が後遺障害等級の中核を占めいていますが、顔に線条痕が残ったことについて、労働能力が落ちるのかという問題があり、また、事故態様が特殊であるため過失割合も問題になりました。

(結果)

最終的には、裁判所の和解勧告に従い、約500万円(自賠責からの受領金額と労災からの受領金額も含めれば合計で約2000万円になります)で和解しました。

(解決のポイント)

外貌醜状の場合、保険会社は逸失利益を話し合いでは通常は認めてきません。また、事故態様が複雑でもありましたので、意を決して訴訟までしたことが解決のポイントです。